地震を知る
地域や住んでいる建物によって、地震による揺れの強さが違うことを知っておきましょう。
震度とは、地面の揺れの強さで表しますが、同じ地震でも地盤や同じ建物でも階により揺れの程度が違ってくるので、地域で想定されている震度を基に実際に自宅や職場がどれくらい揺れるのか知っておくことが必要です。
マグニチュードは地震そのものの大きさを表すもので、実際の揺れの強さを意味するものではありません。
マグニチュードについては用語解説ページにて解説しております。
気象庁震度階級関連解説表
震度0 | 人は揺れを感じない。 |
震度1 | 屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。 |
震度2 | 屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が、目を覚ます。 |
震度3 | 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 |
震度4 | かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 |
震度5弱 | 多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。 |
震度5強 | 非常な恐怖を感じる。行動に支障を感じる。 |
震度6弱 | 立っていることが困難になる。 |
震度6強 | 立っていることができず、はわないと動くことができない。 |
震度7 | 揺れに翻弄され、自分の意思で行動できない。 |
家庭での防災会議
地震の時に家族が慌てず行動できるよう、日頃から話し合い、情報を共有しておきましょう。
地震はいつ起こるかわからないことから、時間帯や誰が在宅してるかなど様々なケースを想定し話し合っておきましょう。
話し合いでは、想定したケース毎に分担を決めるほか、高齢者や乳幼児など家族構成も考慮し次のようなことも相談しておきましょう。
家の中でどこが一番安全か / 避難場所、避難路はどこか / 非常持出袋はどこに置いてあるか
住所、氏名、連絡先や血液型などの自分の情報を記載した避難カードを作成し、普段から携帯しましょう。
避難カードの例は、消防庁サイトの
「防災お役立ちツール」ページにて公開されています。
家族との連絡方法の確認
家族が離ればなれで被災したときを考えて、お互いの安否の確認手段を考えておきましょう。
家族が離ればなれで被災した場合、自分の身の安全が確保できたら、次は家族の安否を確認しましょう。
被災地では、連絡手段が限られていますので、公衆電話等から利用できるNTTの「災害伝言ダイヤル171」や携帯電話の「災害用伝言板」などのサービスがあるので活用方法を知っておきましょう。
自宅の脱出ルートを考える
避難所に避難するためには、まず自宅から安全に脱出する必要があるので、事前に自宅の避難経路を考えておきましょう。
地震により、玄関が開かないなどが考えられるので、自宅から外への避難経路は複数のルートを考えておきましょう。
脱出通路に障害になるものを置かないようにしましょう。
就寝時に地震が起こることもあるので枕元には懐中電灯、スリッパなどを用意しておきましょう。
また、2階などからの脱出用に避難はしごを用意しておきましょう。
避難路を確認する
自宅から避難所までのルートを事前に確認しておきましょう。
地震時は、自宅から避難所までの道のりは、普段と違い通行できない場合もあることを知っておきましょう。
実際に歩いてみるなど危険箇所を把握し安全なルートを確認しておきましょう。
具体的に自宅から避難所までのマップを描き、危険箇所や避難時に役立つ情報等を書き込むなどしておきましょう。
備蓄品を備える
地震が発生すると普段どおりの生活ができなくなる事も考えられます。数日間生活できるだけの『備蓄品』を備えておきましょう。
目安として最低限3日間程度の水や食料品は備蓄しましょう。
家族構成、住居や地域の特性によって必要となるものは異なります。自分や家族にとって本当に必要なものを考えて準備しましょう。
家族、地域の状況や消費期限などと照らし合わせて定期的にチェックし、必要に応じて入れ替えましょう。
地震の被害によっては、避難を余儀なくされることもあります。避難する時に持ち出す『非常持出品』を準備しておきましょう。
非常持出品は、備蓄品の中から、避難生活に必要なものを選ぶのがよいでしょう。備蓄品にない場合は、必要に応じて準備しましょう。
玄関や寝室など持ち出しやすいところに置いておき、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。背負える袋などにいれておけば、持ち出したときに両手が使えて便利です。
備蓄品・非常持出品の例は、消防庁サイトの
「防災お役立ちツール」ページにて公開されています。
防災活動への参加
地震に備えるには、防災訓練などの地域の防災活動に積極的に参加しましょう。
地震の時に、初期消火や救出救助活動を行うには日頃からの訓練が欠かせないので、家族全員で防災訓練に参加しましょう。
9月1日は防災の日で、8月30日〜9月5日は防災週間となっていますので各地で防災訓練等が行われていますので、役場などで確認しましょう。
災害などが発生した場合を想定して参加者で被害状況や対応策について地図に書き込みイメージする「災害図上訓練」も行われています。
地域の自主防災組織などの活動に参加し、普段から地域で協力しあう体制を築いておきましょう。
ブロック塀・石塀の撤去・補強
1978年宮城県沖地震では、死者の大半がブロック塀の倒壊によるのもでした。また、倒れた塀は道路をふさぎ、避難や救助・消火活動を妨げることにもなります。
ブロック塀にも基準があり、基準を満たしていないものは大変危険です。また、石塀は、石と石を結んで補強することが難しいので十分な注意が必要です。
ブロック塀や石塀などは専門家による強度の確認を受け、必要に応じて撤去するか、補強をしましょう。また、そのような塀を生垣に変えることも有効です。
地方公共団体によっては撤去や補強などの費用の補助を受けられる場合があるので、住んでいる地方公共団体に問い合わせてみましょう。
火災を防ぐ
地震による火災が発生すると大きな被害をもたらします。火災を出さないためには日頃からの備えが大切です。
時間帯や季節、場所などによって出火の危険性は異なります。様々な状況をイメージして出火防止に努めましょう。
消火器の正しい使い方を理解し、いざという時に使いやすい場所に備えておきましょう。
また、消火器には有効期限があるので確認しておきましょう。
日常生活に欠かせない電気も地震時においては出火の要因となりえます。
家電製品のそばに花瓶や水槽など水の入ったものを置かないようにしましょう。地震で倒れてコンセント部分に水がかかると発火する恐れがあります。
電気が復旧したきに、転倒したままの電気機器が作動して発火することがあります。ブレーカーが落ちても、器具の転倒やガス漏れを確認してから戻すよう心がけましょう。
ガスも日常生活に欠かせないものですが、地震時においては出火の要因となりえます。
揺れを感じて自動的にガスの供給を停止するガス漏れ遮断器(ガスマイコンメーター)がほとんどのご家庭に設置されています。特性や使い方を十分に理解しておきましょう。
ガスコンロ周辺の棚などから燃えやすいものが落ちてこないようにしておきしましょう。
地震時に出火の要因になりうる石油機器としては、石油ストーブが考えられます。
石油ストーブへの給油時などに灯油をこぼさないよう注意しましょう。また、倒れても灯油が漏れないように給油口をしっかり閉める習慣をつけましょう。
石油ストーブのそばには洗濯物やカーテンなど燃え移りやすいものを近付けないようにしましょう。
住宅の耐震診断・耐震補強
阪神・淡路大震災では家屋の倒壊による死者が約8割を占めました。まずは耐震診断を受け、自分の家が安全かどうかを確かめましょう。
昭和56年以前に建てられた建物は、古い耐震基準で建てられているため、耐震診断を受けましょう。また、昭和56年以降に建てられた建物でもバランスの悪い建物や地盤が悪い敷地に建てられた建物、壁や基礎にひび割れがある建物なども耐震診断を受けましょう。
地方自治体によっては耐震診断を無料で受けられたり、費用の補助を受けられる場合があるので、住んでいる地方公共団体に問い合わせてみましょう。
地震発生後にも普段どおりの生活を送るためには住宅の耐震化が非常に重要です。必要に応じて耐震補強を行い、自分の家の安全を確保しましょう。
耐震補強方法にはこんなものがあります。
@打ち増しなど基礎部分の補強
A構造用合板や筋交いなど壁面の補強
B沿柱など建物の外側からの補強
C筋交いなどの補強
Dベランダなど「はね出し部」の補強
E屋根の軽量化
F柱の増設
G柱や梁などの交換、金具補強
地方自治体によっては費用の補助を受けられる場合があるので、住んでいる地方自治体に問い合わせてみましょう。
家具・家電製品
建物が無事でも、家具などが転倒すると下敷きになってケガをしたり、避難経路を塞いだりしてしまいます。
タンスや棚はL型金具などで壁の桟や柱に固定しましょう。
引き出しや観音開きの扉にはストッパーなどを取り付け、中身が飛び出さないようにしておきましょう。
扉がガラスの場合はガラス飛散防止フィルムを貼っておきましょう。
壁や家具の種類などによって適した方法が異なります。自分の家や家具などにあった方法を選びましょう。
地方自治体によっては家具転倒防止器具の取り付けを無料で実施していたり、費用の 補助を受けられる場合があるので、住んでいる地方自治体に問い合わせてみましょう。
家電製品が転倒したり、照明器具が落下したりすることも大変危険です。
台にテレビやパソコンを載せている場合は、金具や耐震シートなどで本体と台を固定し、L型金具などで桟や柱に固定しておきましょう。
吊り下げ式の照明器具は複数のチェーンを使い数箇所を天井に止め、固定しましょう。
蛍光灯や電球は、割れても飛び散りにくい飛散防止が施されたものに取り替えましょう。
家具などの配置を工夫することも有効です。まずは手軽にできることからはじめてみましょう。
寝室や子供・高齢者の部屋、出入口付近にはできるだけ背の高い家具は置かないようにしましょう。
就寝位置を家具から離したり、転倒しにくい側方とするといった方法も考えられます。
重量のある家電製品はできるだけ低い位置に置くようにしましょう。